飲食店の資金調達手段としての銀行融資~最適な融資を得る方法~を飲食店専門弁護士が解説

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飲食店は、銀行融資の活用しよう

近年、震災からの復興需要や来たる東京五輪へ向けた動きから、戦後2番目の好景気などと言われています。

しかし、2020年の東京五輪までは、何となく、景気はいいのではないかと予想もされますが、五輪が終わった先に、その景気は続いていけるのでしょうか?

五輪過去10大会(40年)で、五輪翌年の景気動向を見ると、横ばい又は好転した大会は1大会しかなかったといったデータもあるそうです。

このことからも、東京五輪後の景気の動向には、楽観視はできないのではないかと思います。

もし、景気が落ち込んだ時、会社はそれを乗り越えなければなりません。

景気が落ち込んでも、乗り越えられる企業とは

営業力が強い会社、商品力が強い会社、業界のオピニオンリーダー的会社、等々・・・

強い会社像は多数あると思います。これらはどれも間違いではないです。
では、これらに当てはまらなければ、生き残れないのでしょうか?

そんなことはありません。

これらももちろん大切ですが、景気が落ち込んでも乗り越えられる企業には共通点があります。

それは、「キャッシュ(現金)」を持っている会社であることです。
または、資金の調達口(調達力)がある会社とも言えます。

中小企業の資金調達手段

例えば、A社から500万の売り上げが立っており、翌月20日に入金予定でした。

しかし、A社の都合により月末まで待ってもらうよう依頼がありました。得意先でもあるので快諾したものの、その売り上げが従業員の給与の当てであった。

こんなとき、会社としてどう対応したら良いのでしょうか?

解決手段としては、

①従業員に頭を下げて月末まで待ってもらう?

⇒1回くらいなら何とかなりそうですが、何回もできる手ではないでしょう。今のご時世志就職も売り手市場のため、辞められてしまう可能性も・・・

②助成金

⇒有用な資金調達の一つではあるものの、申請してすぐに支給されるものではありません。

③出資(代表者出資や親族等)

⇒金額が多くなればなるほど、難しくなります。また、借入できたとしても、出資者は会社の一部所有権者となり、経営に影響力を持たれることも。

④融資

⇒返済の必要や金利はあるものの、経営方針について債権者から影響を受けることは基本的にはありません。

こんな時にこそ活用したのが、融資なのです。
審査には決算書や事業計画書が必要となりますが、用意さえできれば調達にかかる時間もかなり短くできます。

日ごろから、金融機関と良い付き合いをしていれば、より一層スピード感を持って融資してもらうことも可能です。

金額の面でも、代表者出資や親族・友人を頼るよりも確実と言えます。
金融機関が融資をしてくれさえすれば、問題は解決です!

ただし、金融機関は誰にでも融資してくれるわけではありません。

では、誰に対して融資してくれるのでしょうか?

金融機関との付き合いとは?~「取引銀行=口座を持っている」ではないのです!~

口座を作っただけでは、本当の意味での「お客様」とは見てくれません。
金融機関のビジネスモデルとして、本当の意味での「お客様」と考えるのは、「お金を貸し出している会社」なのです。

もし、上記のように五輪後に不況が訪れ、金融機関に今まで借入をしていなかった会社が、いきなり貸してくれと言っても、なかなか希望通りに貸し付けてはくれません。

不況になれば、返せなくリスクも高くなりますので、今まで貸した経験のない会社には、金融機関も慎重になります。

その反面、何度も融資して貰い、しっかりと返済をしている会社には、実績がありますので、より優先して貸し付けてくれます。

こうしたことから、好景気の時こそ金融機関とお付き合い(取引)をしておくことで、何かあった時に金融機関が助けてくれる存在になってくれるのです。

金利が・・・と思うかもしれませんが、1000万借りて金利が1%だとしたら、月々約8000円ほど。これを高いと思うか安いと思うかです。

接待交際費だと思えば、そう高くはないのではないでしょうか。

飲食店での銀行融資の留意事項

融資の心配事として、次のような質問をよく受けますが、融資にもたくさんの種類があるので、自社にあったものを探しましょう。

①万が一返せなかったとき、肩代わりしなければいけないのでは?
⇒社長が保証人にならなくていい融資もたくさんあります。

②金利が心配
⇒政府系の融資などは比較的低金利なものが多いです。
1~2%以下の金利が理想とされています。

③必要な額を借り入れることはできるのか?
⇒事業計画をしっかりと立てて、本当に必要な資金を算出することが重要です。
事業計画にみあっていれば、希望の額を融資してもらえる可能性は十分にあります。

一昔前の金融機関は、融資する際にB/S(貸借対照表)を重要視していました。
しかし、近年では事業性(P/L(損益計算書))を重視するようになってきています。

つまり「どのような経営資源を持っているのか」より「どれだけ儲かったのか」を重視するようになってきているということです。

そのため、事業計画(今後どれだけ儲けられそうか)が非常に重要となってきます。
事業計画書の価値を上げるために、国や地方公共団体の認定を受けるといった制度もあります。
これらもうまく活用すれば、より融資を受けやすくすることも可能でになります。

どの程度キャッシュがあれば、景気が落ち込んでも、乗り越えられるのか?

これだけあれば大丈夫!ということはないですが、
最低ラインとして、月商の2か月分ほど残高が欲しいところです。

また、日本政策金融公庫からの借り入れ経験があり、民間金融機関2行程からの借り入れ経験もあると良いです。

目標としては、月商の3か月分の残高に、日本政策金融公庫からの借り入れ経験&民間金融機関3行程からの借り入れ経験もあると、なお良いでしょう。

飲食店として、どのように準備をしたらいいのか

①事業計画や資金計画を見直す。
⇒今後、本当に今の計画で大丈夫なのか、専門家と見直すことは大切です。

②専門家に、融資について相談する。
⇒どういったものがあるのか、知っておくことが重要です。
地方公共団体からの融資などもあります。専門家に聞いてみましょう。

弊社としても、融資獲得支援を行っております。
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③実際に、好景気の内に金融機関からの融資の実績を作っておく。
⇒上記でもあるように、今は必要なくても、後々効いてきます。

まとめ

融資と聞くと、必要になってからと考えがちですが、景気が悪くなってからでは、本当に必要なのに借入できないといったこともあり得ます。

金融機関も企業なので、不況の煽りは受けます。過去に融資した実績のない企業では、金融機関側としても、信用ができないのです。

そのため、今のところ使い道がなくても、融資を受けた実績を作っておくことは、もしものことを考えれば、決して無駄なこととは言えないのではないでしょうか。

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