飲食店における従業員の休日振替と代休の解説

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飲食店の法律問題

法律上の休日とは

休日とは、労働契約や就業規則において労働義務のない日のことをいいます。これに対して休暇とは、本来労働義務がある日にそれが免除されている日のことをいいます。

労働基準法は、休日については週1日もしくは4週を通じて4日以上と定めています。

また、休日については就業規則に定めなければならないとされています。なお、労働基準法でいう「1週間」とは日曜日から土曜日に至る1週間をいいます(昭24・2・ 5基収4160号)。

週休2日制をとる会社でも、労働基準法が義務付けた休日は1日だけです。ですか ら、週休2日制をとる会社で日曜を法定の労働基準法第35条第1項が定める休日とし、土曜日を別途就業規則で定めた休日として追加している場合は、土曜日に勤務を命じても休日労働には当たりません(ただし、この週の労働時間が40時間を超えたならば時間外労働として割増賃金の対象となります)。

また、労働基準法は国民の祝日を休日にすることを義務付けてはいません。

休日の振替、代休

(1) 休日振替と代休の違い

当初休日として予定された日に業務を入れざるを得なくなった場合に、あらかじめ通常の労働日を休日として振り替えることができます。

こうして法定休日を4週間の範囲内で振替えた場合は、その日は休日労働とはなりません(昭 23・4・19基収1397号)。このように、休日の振替とは休日を他の労働日と事前に交換することです。

これに対して、代休とは、一旦、休日に労働をさせてから、その後に別の労働を代償として休日とすることです。

労働者の私生活・健康維持の観点からは、休日はあらかじめ確定しておかなければならないので(だからこそ就業規則で定められています)、休日に労働した後で代休を与えても先の休日での労働は休日労働のままです(昭24・9・21 基収3000号)。

(2) 具体的な処理

例えば、毎週日曜日が法定休日とされている会社で、事前に、当初休日として予定されていた6月7日(日) を労働日として翌週の6月15日(月)を休日とするように振り替えた場合、67月日 (日) の労働については休日労働にならないので割増賃金(35%増)を支払う必要はありません。

なお、振り替える日は振り替えられた日にできるだけ近接した日が望ましいとされています (昭23・7.5基発968号)。また、休日振替の具体的な手続きと清算方法については就業規則で定めておく必要があります。

他方、6月7日(日)に勤務した後で、6月15日(月)を代体として指定し休みにしても、休日に労働したという事実は変わらないので、6月7日(日)の勤務については休日割増が加算された135%の賃金を支払うことになります。

ただし、後日休日(6月15日)を指定することで元の休日(6月7日)労働の基本額の部分(100%部分)を清算できる旨を就業規則に定めておけば、会社としては6月7日(日)の勤務について、その日の35%割増分だけ支払えば足ります。

代休による清算は就業規則中に定めておかないと、6月7日(日)の勤務について135%を支払うことになります。

ですから、「休日出勤したとしても、その月のうちにどこかで代休を取らせれば、休日出勤の割増賃金を支払わなくてよい」という考え方は間違いです。

このように、休日の振替と代休とでは、変更後の休日を事前に特定しておくか否かでまったく異なります。なお、振替休日を運用する場合、振り替えた休日は必ず休ませるようにしてください。


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