飲食店の騒音や悪臭についての苦情と対処法について知っておこう

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飲食店の法律問題

騒音や悪臭は、どんな問題が考えられるのか

店舗を経営する以上、ある程度の騒音は避けられないものです。騒音の発生源としては、たとえば、駐車場内における車のエンジン音やドアの開閉音、利用者同士の話し声など、さまざまなものが考えられます。

これらの音は、店舗の経営者や従業員は気にならないものだとしても、近隣の住民にとっては迷惑な存在となる場合があり、中には損害賠償の請求がなされる可能性もあるため注意が必要です。

また、飲食ならではの問題として、悪臭に関するトラブルがあります。調理時に出る臭いや煙、または生ゴミから漂う臭気は、時には耐えがたいものがあり、店舗の営業の差止めや損害賠償請求のもとになる場合があります。

騒音とは、一般的には「聞いていて不快感をおぼえる音」のことをいい、環境基本法における公害のひとつとされています。

騒音から住 民を守るため、我が国では騒音規制法という法律による規制がなされています。

騒音規制法では、騒音に対する規制基準の他、各地域に沿った内容で騒音を規制することができるよう、市町村単位で条例を 定めることが許されるとしています。

したがって、店舗側が騒音に関 する規制を調査する場合は、騒音規制法に加えて、店舗の所在地を管轄する地域の条例を確認する必要があります。

店舗とその近隣住民との間で騒音に関するトラブルが発生した場合、 重要となるのが受忍限度です。

判例や学説は、日常生活上必ず発生する騒音などであっても、その騒音などが、一般的に耐えることができ るお互いに我慢するべき範囲(受忍限度)を超えている場合には、不法行為(故意または過失によって他人に損害を与えた場合に、その損害を賠償させる制度)となり、損害の賠償を求めることができると考えています。

受忍限度は騒音の大きさや周辺状況、近隣住民の被害内容 などから判断されます。ここでは前述した騒音規制法や店舗所在地を 管轄する地域の条例内容を考慮した上で検討されます。

悪臭の確認方法・対処方法とは

悪臭とは、一般的には「不快を感じるにおい」のことをいい、騒音と同じく環境基本法における公害のひとつとされています。

悪臭から住民を守るため、我が国では悪臭防止法という法律による規制がなされています。

悪臭防止法では、悪臭に対する規制基準の他、各地域に 沿った内容で悪臭を規制することができるよう、市町村単位で条例を 定めることが許されるとしています。

したがって、悪臭に関する規制を調査する場合も騒音の場合と同じで、悪臭防止法に加え、店舗の所 在地を管轄する地域の条例を確認する必要があります。

実際に悪臭を原因として近隣住民から訴えられた場合、対処法とし ては、まず専門家へ悪臭の測定を依頼します。

その上で、前述の悪臭防止法や地域の条例における基準を確認し、規制を超えていればダクトの変更や脱臭装置などで脱臭対策をとります。

一方、規制限度内であった場合でも、店舗の立地などが理由で近隣 住民の受忍限度を超えてしまうケースがあります。

また、店舗存続の ためにも近隣住民との関係を保っておくことは重要です。したがって、近隣住民と話し合いの機会を作り、事情を伝えた上で妥協策をとることや、悪臭を取り除く装置などで対策をとることは、規制超過時と同様に必要です。


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