飲食店のクレーム対策 お客様からクレームを受けた場合に、どのように対処するか?

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飲食店は、クレームを受けやすい

飲食店には、様々なトラブルが起こります。その中でも多いのが、お客様からのクレームです。
「異物が混入している」、「食中毒の疑いがある」、「お腹を壊した」、「お客様の服を汚してしまった」など、本当に数多くのクレームがくることがあります。

そんな中で、実際に、お客様がクレームがあった場合、飲食店側としては、どのような対応をする必要があるのでしょうか。

飲食店におけるクレーム対応のポイントを見ていきます。

ステップ1 まずお客様の話を聴く。事実関係の整理

クレーム対応の基本は、まず聞くことです。
事実として何があったのか、まずお客様の話を聞くことから始めましょう。

お客様としては、話を聞いてもらうだけで、怒りが静まることがあります。
また、実際、何があったのか、事実関係を整理するためにも、お客様の話を聞くようにしましょう。

ステップ2 お客様への謝罪

お客様がクレームになっているということは、何かに怒っているということです。
そんなときは、不快にさせたことを謝罪しましょう。
クレームの中には、言いがかりのこともあると思います。しかし、そんなときでも、こちらに非があることを謝るのではなく、あくまで不快にさせたことを謝るのです。

このときに謝ると、後々不利になるのではないかと思いますが、そんなことはありません。
謝ったとしても、裁判でも不利になることは絶対にないので、不快な気持ちにさせたことを謝罪しましょう。

ステップ3 飲食店として、妥協できる解決策を示す。

謝罪した後は、現場の判断でできる限りの解決策を示します。
すぐに解決策を示すと、その場で、クレームが収まる場合も多いです。
例えば、料理に毛が入っていたというクレームのときは、料理を交換する。

また、飲食店の従業員のミスでお客様の衣服に料理をこぼしてしまった場合には、その場で一般的なクリーニング代を負担するなどの対応が考えられます。

ステップ4 上記ステップの徹底

そして、大事なことは、現場のスタッフの方が、上記ステップをちゃんと実践することです。
お客様と接しているのは、現場のスタッフです。その現場のスタッフの初動対応で、トラブルの度合いが、全く違ったものになります。

日頃から、上記クレームに対する研修や情報共有をするようにしましょう。

食中毒などのクレームがあった場合には

飲食店にとって、大きなダメージになりかねない食中毒のクレームがあった場合には、どうしたらよいのでしょうか。

ステップ1 お客様からの事実確認

お客様から「お腹を壊した」などのクレームを受けた場合には、あせらずに以下の点を聞き取るようにしましょう。

(1)お客様の現在の症状
(2)発病日時
(3)来店の日時
(4)当日食べた料理の種類
(5)複数で来店した場合、全員に同じ症状が出ているか
(6)お客様の連絡先

ステップ2 不快にさせたことを謝罪する。

ステップ1で、事実関係を確認した後は、不快にさせたことを謝罪します。

この段階では、飲食店側に非があるとは限りません。
しかし、すぐに謝罪することで、お客様のクレームが収まることもあります。
前述したとおり、謝罪したからといって、裁判等で不利になることはありません。

不快にさせてしまったことを謝罪しましょう。

ステップ3 病院にいくことを薦め、診断書をもらって頂く

ステップ1で、飲食店側にも非がある可能性がある場合には、お客様に病院に行ってもらい、診断書を取ってきてもらうように依頼しましょう。

場合によっては、初回治療費を負担するといってもいいかもしれません。
大事なのは、本当に、飲食店側に非があるのかを確かめることです。

ステップ4 原因調査のための証拠収集

その食中毒が、本当に、飲食店側に非があるのかを調査し、その証拠を集める必要があります。
・食中毒の恐れがある食材の一部を保管する
・同じ料理を食べた別のお客様から同じ症状があるのか

そして、その上で、第三者機関である保健所に依頼して、原因を特定するなどの対応が必要です。

ステップ5 原因により、最適な対処法を提示

原因調査の結果は、お客様に、報告しましょう。
調査の結果、飲食店側の原因でない場合には、検査結果や証拠などを見せて、店の料理が原因でない場合は、お客様に報告します。
お客様から納得がいかない、治療費を支払ってほしいと言われても、応じる必要はありません。

飲食店側に原因がある場合には、治療費や慰謝料等の支払いが必要になることがあります。
この場合では、お客様が被った被害金額を弁償する必要がありますが、過度な要求については、断る必要も出てきます。

このような事故の場合、どの程度の被害弁償として、どの程度になるのかも、予め頭に入れておく必要があります。

飲食店クレームは、適切に対応することが大事

以上のように、飲食店のクレームについては、処置を誤ると大問題に発展する可能性があります。
クレームを受けた場合には、飲食店としては、弁護士に相談するなどして、適切に対応するようにしましょう。


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