無断欠勤や遅刻をするスタッフの解雇をすることができるか

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飲食店の法律問題

無断欠勤や遅刻を理由とする解雇

まず、無断欠勤については、①届け出のない欠勤に限るのか、②届け出があって も正当な理由のない欠勤も含むのかが問題となります。

②を含むならば無断欠勤の定義を就業規則に明示しておいてください。

では、どの程度の期間や回数の無断欠勤があれば解雇できるでしょうか。

通達で は2週間以上正当な理由なく無断欠勤をし、出勤の督促に応じない場合に解雇予告手当を支払わずに即時解雇できるとしたものもありますが(昭 23・11・11 基発1637)、だからと言って2週間以上の無断欠勤があれば無条件で即時解雇できるわけではありません。

1年間に27日の欠勤、99回の遅刻・早退を繰り返した労働者を諭旨解雇にした事案で、単に職場内で注意したにとどまり、譴責・出勤停止などのより軽い懲戒処分による警告をしていなかったとして、諭旨解雇を無効にした例もあります(東 京地決昭和 50年9月11日労判 236・36神田運送事件)。

特に、無断欠勤では精神疾患等が原因で出社できない例が少なくないので、会社としては無断欠勤の理由を十分 に確認する必要があります。

精神疾患が原因で40日間にわたり無断欠勤した労働者を諭旨解雇にした事案で、会社としては精神科医による診断や事前の休職措置をとるべきであったとして、当該解雇が無効と判断されています(最判平成24年4月27 日判タ1376・127日本ヒューレット・パッカード事件)。

ですから、無断欠勤がなされた場合には、以下などを総合的に考慮して判断することになります。

  1. 欠勤の回数・期間・程度、正当理由の 有無
  2. 業務への支障の有無・程度
  3. 使用者からの注意・指導、使用者の管理体制
  4. 本人の改善見込み、反省の度合い
  5. 本人の過去の非行歴、勤務成績
  6. 先例の存否

無断欠勤や遅刻に対する罰金の可否

外食業や小売業では多くの従業員が働いていますが、その勤務予定はシフト表に 従って管理されます。ですから、シフトが入っているにもかかわらず無断欠勤や遅刻が頻繁にあると他の従業員に多大な迷惑がかかります。

そこで、罰金を定めたいと考える経営者も少なくありません。しかし、労働基準法第16条は「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定 め、または損害賠償額を予定する契約をしてはならない」と定めています。

そのような違約金や損害賠償の予定を定めた場合、労働の強制や退職の自由を奪うことになるからです。ですから、罰金の定めは労働基準法に反するものとして無効です。では、従業員間の自主的なルールとして定めることは許されるでしょうか。

一見すると、使用者が労働者に強制しているわけではないので、労働基準法には反しない ように見えます。

しかし、従業員間のルールであっても経営者が主導して定めた場合は、先述した違約金の定めと同じなので無効というべきでしょう。

経営者と関係なく、従業員が自主的に定めたルールであっても、このような違約罰ルールは、パワハラ等の温床になる可能性があるので、避けたほうが賢明です。


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